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山里の空の青さに春を感じて 坂本町


球磨川の流れに沿って広がる坂本町(林道坂本・山江線から撮影)



透明度を増してきた球磨川 自然を生かした観光に期待


撤去工事が進む荒瀬ダム。
(1月17日撮影)

 
球磨川への思いが深い、木本生光さん
 
球磨川の河原から見上げると山と山の間にぽっかりと青空が広がります


手前の三角形の山上には「瀬高城跡」があり、右下の球磨川には落城の折、敵の辱めを逃れた妻子が化粧をして身を沈めた「かねつけ岩」があります。遠方には「さかもと八竜天文台」を望み、下代瀬河原にはロマンが広がります
 
世界最大級のEDレンズ天体望遠鏡がある「さかもと八竜天文台」=資料写真


 大型トラックやトレーラーが目立つ交通量の多い八代市内の国道3号。新萩原橋を渡り、国道219号を人吉方面へと進むと、これまでとはうって変わり、のどかな景色が現れます。
 大気が澄みわたり晴れ晴れとした空。おだやかな日差しが緑濃い山肌を包み、その色を映した球磨川は、翡翠(ひすい)色の水をたたえています。
 坂本町(八代市)は、この球磨川の流れに添うようにして広がっています。そして昔から人々は、よくも悪くも、この川とともに暮らしてきました。
 アユやカニなどが捕れる豊かな漁場だった川に高度成長期の1955年、電力の安定供給のため県営荒瀬ダムが竣工。暮らしが便利になる一方で、失われていくものもありました。50年以上にわたり、さまざまな議論が交わされる中、200
8年にダムの撤去が決定。全国初の試みとして、日本中が注目するニュースとなりました。
 2018年春の工事完了に向けて、現在、ダムの撤去作業が行われています。
 開放されたゲートの間を流れる川は透明な輝きを放っており、美しい川の色が戻りつつある様を見れば、ほっと心が落ち着きます。
 「この町は球磨川とともに栄えてきました。私の幼いころの遊びはもっぱら川でね。代々漁師のわが家にとっては大切な漁場であったし、ただ、ダムの存在も町を支えたし…。日本初のダム撤去が決定してからは、川も少しずつ昔の美しさを取り戻しとります」と話すのは、球磨川漁業協同組合副組合長の木本生光さん(78)。球磨川の移り変わりを見つめてきた木本さんの心情には、きっとはかりしれないものがあることでしょう。
 「球磨川の魚をおいしく食べてもらいたいと、いろいろと計画しています。町の子どもたちに魚釣りを体験させたり、河原でアユを焼いて食べてもらうなど企画しとるんです」と木本さん。
 そして、「球磨川の河原で見る満天の星の美しさは最高ですばい」と、木本さんは付け加えました。


問い合わせ

■さかもと八竜天文台
八代市坂本町中谷は335の2
TEL.0965(45)3453
営/13時~22時
料金/大人300円、小・中・高150円、幼児無料
休/火・水(祝日の場合はオープン)
 
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※各情報は掲載時のものです。料金や内容が変わっている場合もあります。
  あれんじ気まま旅
Vol.94(2014.2.15)掲載
日本三大急流の一つ、球磨川とともに歩んできた緑豊かな山々に抱かれた坂本町(八代市)。全国初となるダムの撤去工事が県営荒瀬ダムで進行中です。川は透明度を増し、周囲の自然も昔の美しさを取り戻そうとしています。山や川の恵み、温かい人情にあふれた山里で春の兆しを感じてきました。

文=福永和子 写真=森賢一 表紙=JR肥薩線の坂本駅



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