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みかんの香り漂う史跡の里に 深まる秋を訪ねて 玉東町

ミカンどころが点在する山々は“金峰山オレンジベルト”と呼ばれ、それに連なる玉東町もミカンの名産地です


“あお”の競演が知らせる玉東の秋の始まり

互いの創作活動が縁で結婚した池田さん夫妻。数年来、除草剤や農薬に頼らずにミカンの樹の生命力を生かした自然栽培を行ってきました
 
「池田さんの自然栽培みかんジュース」(500ml・840円※昨季価格)は、皮ごと絞った果汁がトロッと濃厚。今季収穫分は、「オーガニックショッピングモール・ピュアリィ」(熊本市中央区中唐人町)等で発売予定(数量限定)※昨シーズン分は完売


収穫直前のミカン「肥(ひ)のあかり」。糖度と酸度のバランスがとれたおいしい極早生種です(池田さんの畑で)
 
池田道明さんの絵画が並ぶ自宅の倉庫兼アトリエ。10月26・27日の2日間はミカン狩り(有料)を楽しむ「池田農園収穫祭」が開かれ、夫婦の作品展も同時開催。参加者には大鍋で作るパエリアがふるまわれます


クサギで染めた中央の水色の布をはじめ、すべて天然素材で染色した布。自然がもたらす繊細で優しい色合いに和みます
 
由美さん愛用の織機は、大島紬用に作られたもの。一般的な織機に比べ、より目の詰まった織りができるそう

玉東町の山道に自生するクサギの花
 
西南戦争をしのぶイベントとして、今年3月20日に町内の複数の会場で開かれた「博愛灯会(はくあい・とうえ)」。町民総出で準備した竹灯籠の幻想的な灯りのもと、戦乱に散った魂に祈りを捧げました
 
三池往還のあたりには、昔懐かしい雰囲気の家並みも残っています


 玉東町(玉名郡)の中心部を見下ろす原倉地区。秋の驟(しゅう)雨が駆け抜けた後、向かいにそびえる木葉山の山腹には、止んだ雨にほっともらした山の吐息のような白く細い雲の薄片が、幾筋も漂っています。
 上空の雨雲が秋風に押されて一掃されると、そこに広がるのは秋特有の透明感をたたえた淡い水色の空。その色をそのまま写し取ったような、美しい手染めの布に出合いました。その場所が、原倉地区にある池田由美さん(50)の染色工房です。
 「このきれいな色を醸し出す染料は、”クサギ“という植物の実(種子)なんですよ」と由美さん。臭気があることからついたという名前とはうらはらに、クサギから生まれる色は雨上がりの秋空さながらの澄みわたった美しさです。
 由美さんは、ご主人の道明さん(53)と共にこの地区でミカン栽培を行う果樹農家で、染色と機織りの創作活動も行ってきました。ご主人も絵を描くという”アーティスト“夫婦です。
 「クサギはすぐ近くに自生しているので、取りに行きましょう」と誘われ、車で数分。山中の道路沿いの一角に、クサギの小さな花が点々と咲いていました。
 「自生植物で染色材料になるものは、まだまだありますよ。車で移動中に目につくことも多いので、いつ遭遇してもいいように、剪定(せんてい)ばさみ・軍手・ビニール袋は常に載せています(笑)」
 池田さんの畑でミカンが青々と実る初秋、布地をペールブルーに染めあげるクサギの実も熟します。そんな異なる
”あお“の競演が、玉東に秋が来たことを知らせるのです。


問い合わせ
■池田農園
玉名郡玉東町原倉1472の35
TEL.090(5472)5320
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※各情報は掲載時のものです。料金や内容が変わっている場合もあります。
  あれんじ気まま旅
Vol.85(2013.10.5)掲載
西南戦争の激戦の舞台として知られ、古くは「三池往還」の宿場町として栄えた玉東町(玉名郡)。町の中心部を見下ろす山々は、ミカンやナシなどおいしい果物の宝庫です。また、JR木葉駅の南側には大型分譲地「オレンジタウン」が姿を現し、熊本都市圏のベッドタウンとしての期待も高まります。そんな玉東町を、秋の一日ゆっくり訪ねました。

文=松田有美 写真=森賢一(グラフ)
表紙=玉東町中心部にあるかつての三池往還



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