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“人の力”が街の活気 玉名

森谷さんと吉崎さんが自然農法で育てた稲。
地元の方々の並々ならぬ手助けがあって実りの秋を迎えたそうです


東京から玉名へ 米作りを始めた女性2人

田んぼの一角には古代米も育ってました
 
『TANBOcafe』のこぢんまりとした店内。今のところ食事はカレーのみ。ただいまメニュー開発中


オクラ、玉ねぎ、ナスなど旬の野菜たっぷりの「畑のカレー」600円。ゴボウとクミンの炊き込みごはんが香ばしくてカレーにあいます
 
週替わりの手作りケーキ300円はブラウ二ーと豆腐のクリーム添え。コーヒーは250円〜。手づくりのシソジュースや梅ジュースなどもあります
 
子どものころ実を集めて数珠を作ってました。あまりに懐かしくてショットに収めました


 玉名市街地を貫く国道208号から県道4号を北へ車で10分ほど。国道沿いの商店が連なる街並みとは一転、小高い山々が間近に迫りその裾野には実り始めた稲が広がります。稲穂の香りでしょうか。香ばしいにおいがあたり一帯を包みます。
 玉名市石貫。昔と変わらないのどかな田園の中に『TANBOcafe(たんぼかふぇ)』という新しく看板をかかげた店があると聞き訪ねました。菊池川水系の繁根木川にかかる小さな赤い橋「廣福寺橋(こうふくじばし)」を渡れば、田んぼの中にぽつんと山小屋のような建物が。その名の通りまさしく『TANBOcafe』です。
 カフェを切り盛りするのは、昨年の東日本大震災をきっかけに東京から玉名へ移住した女性2人。「震災を機にいろんな事を考えました。商店にモノがない、電気がこない…。そんな状況下に、自力では何もできなくて。これでいいんだろかって…」。便利な生活に慣れ切った自身に、疑問符を抱いたという森谷滋子さん(46)はそう言います。「もっと自然に触れる暮らしがしたい、そんな思いに駆られました」と語るのは吉崎恵さん(42)。そんな2人が同市に暮らす知人の紹介で、玉名へやってきたのです。
 2人は自給自足の生活を目指し、耕作放棄地での米作りに取り組んでいます。無農薬と化学肥料を使わない自然農法です。「これまで農作業とは全く無縁でしたから、分からないことばかり。地元の人たちに助けられてます」と吉崎さんが案内してくれた田んぼの稲穂は、頭を垂れ収穫の時を待っています。
 「カフェメニューも増やして、将来は自分たちの育てたお米や野菜でおもてなししたいと思ってます。カフェが地域の人たちと私たちのような移住者や旅行客たちとの交流の場になればって、思ってます」とオーガニックコーヒーを入れてくれる吉崎さん。その隣りで森谷さんは手作りのケーキと野菜たっぷりのカレーを用意します。「食べ物にも、人の優しさにも、たくさんのことに感謝する毎日です。通勤電車に揺られて、自宅と会社を往復していたころには気づかなかったことです」と吉崎さんはいいます。まだまだ、2人の挑戦は始まったばかり。
 最後に今大変なことは?と聞くと「田畑の雑草ですね。伸びるのが早くて、生命力も強いし。草との戦いですよ毎日。でも草のようにたくましくならなければって、草から学んでます(笑)」と語る森谷さんの笑顔が、とても頼もしく見えました。


問い合わせ
■TANBOcafe(たんぼかふぇ)
玉名市石貫1083
※電話はありません
営/土・日曜の11時半〜16時
>> 2 伝統の祭りを守る人 風流な手作りの花火大会
※各情報は掲載時のものです。料金や内容が変わっている場合もあります。
  あれんじ気まま旅
Vol.61(2012.10.6)掲載
熊本市街からわずか1時間足らず。田んぼの中の斬新なデザインのJR九州新幹線・新玉名駅もすっかりと馴染みの顔となり内と外をつなぎます。進化する町並みの移ろいを静かに見守るのは雄大な菊池川。豊かな自然に囲まれた新旧混在の町の、元気の源は“人の力”でした。

文=北園佳代 写真=内村友造(グラフ)
表紙=玉名市石貫の田園に立つ「TANBOcafe」



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