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水俣の水と緑に 心溶けて

JR山野線の久木野駅跡地。別の線で役目を終えた貨物列車の運転室を譲り受け、展示しています


森と棚田の里山でエコロジーの村おこし

木の温もりがただよう『久木野ふるさとセンター愛林館』
 
館長の沢畑亨さん。東京大学卒業後、東京に就職。同館の館長公募を知り応募して、18年前に就任


インドネシアの楽器「アンクルン」。館長が現地で音色にひかれ、取り寄せて販売中。乾いた優しい竹の音が森のイメージにぴったり
 
こね鉢にそば粉とヤマイモ、水、塩を加え混ぜて行きます。水加減が大切です。まとまってきたら、耳たぶの固さへ練ります。練りすぎは禁物
 
そば打ち名人の小島トシエさん。そば打ち体験のほか、とうふやコンニャクづくりの体験教室開催(要予約)


小島さんご自慢のタケノコの漬け物。ニンニクとゴマとトウガラシの効いた、珍しい漬け物。残念ながら非売品です
 
タイカレーを作る野田亮子さん(60)。それにしても久木野の女性はみな若くてお肌がつるつる。水と空気がきれいだからでしょうか
 
愛林館のタイカレー630円。インドカレーもあって、冷凍した持ち帰り用もあります


 不知火海沿いの国道3号から国道268号に入り、さらに鹿児島県の大口方面に向かうこと30分。寒川水源と美しい棚田で有名な久木野地区へと着きます。
 「いらっしゃい」と迎えてくれたのは、『水俣市久木野ふるさとセンター愛林館』の館長・沢畑亨さん(50)。1988年に廃線となったJR山野線の久木野駅跡地に建つ同館では、エコロジーをテーマにムラおこしに取り組んでいます。風土に合った食べ物作りや森林の維持、棚田保全、環境研修、そば打ちや豆腐作りの体験教室など人気を集めています。
 「私たちはこの地にこれから2000年間、人が暮らし森と棚田が維持されることを願い、活動しています。森と棚田は、人間にはかりしれない豊かな恵みを与えてくれているのです」。沢畑さんは公募により館長に就任しました。旧西合志町(合志市)の出身で、東京で地方の地域振興のコンサルタントの仕事に就いていました。「コンサルタントでは一部しかかかわれない。もっと自分の手で地域活性化のお手伝いをしたいと思っていた時に、仕事で何度か訪れた久木野で館長を募集しているのを知ったのです。着任して18年になります」と沢畑さん。
 早速、昔ながらのそば打ちを体験。教えてくれたのは、久木野のそば打ち名人・小島トシエさん(81)。こね鉢にそば粉、水、ヤマイモを加え、指を立てて混ぜ合わせます。「まぁ上手ね、こがんに上手か人は初めてよ」。褒め上手のトシエさんの笑顔にこちらもその気になっていくのです。耳たぶほどの固さになったら、麺棒で延ばします。最後は包丁でトントンと切って…とはいかないまでも、それなりのそば麺の完成です。
 「ここにはたくさんの人が来られますよ。環境問題の勉強をしに、外国からもきなはっとですよ」。トシエさんの温かい人柄は、県内外や海外からのお客様から「お母さん」と慕われているようです。
 館内のレストランではタイカレーも味わえます。ナス、ピーマン、タケノコ、豆が入ったグリーンカレー。ココナツミルクのまろやかさと香辛料のスパイシーさが際立つ本格的な味です。山間の集落で本場タイの味を楽しめるとは、思いもよらないことでした。


問い合わせ
■水俣市久木野ふるさとセンター 愛林館
水俣市久木野1071
TEL.0966(69)0485
営/9時〜17時(レストランは土・日曜、祝日の11時〜15時)
休/月曜(祝日の場合は火曜)
 
>> 2 谷に広がる優美な石積みの棚田 水温14度の寒川水源で流しソーメン
※各情報は掲載時のものです。料金や内容が変わっている場合もあります。
  あれんじ気まま旅
Vol.54(2012.6.16)掲載
熊本県最南端の水俣市。不知火海を望む美しいリアス式海岸線から内陸へと少しばかり進むだけで深い緑に覆われた田園に出合えます。海辺の街という印象が強い水俣ですが今回は里山の暮らしを訪ねてみました。

文=北園佳代 写真=森賢一(グラフ)
表紙=「日本の棚田百選」にも選ばれた美しい寒川の棚田(水俣市久木野)



水俣の水と緑に 心溶けて
森と棚田の里山でエコロジーの村おこし
谷に広がる優美な石積みの棚田 水温14度の寒川水源で流しソーメン
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