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初夏の陽光が海と山に注ぐ 三角町
浦島屋前の石畳では、パラソルが優しい日陰を作ります


「夏の日の夢」がよみがえる 明治の復刻建築“浦島屋”

6月3日(日)10時〜17時、浦島屋前を中心に、三角の美味や楽しいイベントが揃う“〜花の和蘭みなと「三角西港」〜ハイカラにぎわい市”を開催。シャトルバスやタクシー等で来場すると、100%宇城産のレモンやブルーベリーを使った限定新発売のかき氷が無料サービスに! 詳しくは下記またはラ・ガールTEL0964(53)2666へ
http://www.facebook.com/pages/三角西港/198074626875150
 
旅館だった当時の浦島屋は明治38年に解体されて中国・大連に運ばれましたが、平成5年、写真を元に復元されました。浦島屋周辺を含む港一帯は“〜花の和蘭みなと「三角西港」〜”としてあでやかな花々で変貌中です


バルコニーを気持ちいい風が抜けていく浦島屋の2階スペース
 
明治の三大築港の中で、港だけでなく都市計画区域までほぼオリジナルの姿を保っているのは三角西港のみ。世界遺産国内暫定リストにも記載されています


数量限定のケーキは『カフェギャラリー・ラフカディオ』の奥さん、未来さんの手作り。コーヒーとセットで600円です。コーヒーは、地元の『一心(いっしん)珈琲店』オリジナルブレンド。この日のブレンド“三角320”は、コクと酸味のバランスがいい、すっきりした味わいでした
   


 初夏の青空のもと、入り江にきらめく群青色と背後に迫る小高い山の濃く深い緑。三角西港は、明治時代に建設された近代築港の面影を今に伝える貴重な歴史遺産です。天と地と海が織りなす碧(あお)のグラデーションの中にあって、ひときわまぶしい光を集める白い洋館が、『浦島屋』。明治時代この地にあった旅館で、平成5年、写真を元に復元されました。
 三角西港が繁栄を極めていた頃は多くの客でにぎわい、明治26年(1893)7月には、当時の第五高等学校の教師であった小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)もここに滞在しています。その思い出を記した紀行文「夏の日の夢」の中で、“風鈴が鳴るように涼しげな声”と描かれた浦島屋女将の山下ヨシは、実は東京出身。東京遊学中だった当主の山下磋一郎が、“根岸小町”とうたわれた美人のヨシを見初め、郷里・三角に妻として連れ戻ったと伝わります。
 そんな“夢”の舞台・浦島屋で、夢をかなえた若いご夫婦がいます。それが、館内に今年のゴールデンウイーク初日、『カフェギャラリー・ラフカディオ』をオープンした田川圭一郎さん(34)と未来さん(29)夫妻。未来さんがコーヒーをいれ始めると、驚くほど豊潤な香りがフロアいっぱいに広がります。
 その香りをゆっくり楽しむなら、港を見下ろす2階バルコニー席がおすすめです。海を望み、白い壁を背景に並ぶ柱の薄みどり色が涼しげで、ハーンが見た“夏の日の夢”も、こんなはかない色合いだったのでしょうか。
 腰を降ろして心静かに海を眺めれば、そんな淡い“夢色”の向こうに、明治のころのにぎわいが幻影のように浮かんできます。


問い合わせ
■CAFE GALLERY LAFCADIO(浦島屋内)
宇城市三角町三角浦
TEL.0964(52)4865
営/10時〜22時
休/火曜
>> 2 至るところに海が顔をのぞかせ潮の香りが水平線へと心を誘う
※各情報は掲載時のものです。料金や内容が変わっている場合もあります。
  あれんじ気まま旅
Vol.53(2012.6.2)掲載
かつて、海運で栄えた三角町(宇城市)。往時の物語へ誘(いざな)う西港界わいや三角駅周辺、のどかな漁港の風情が漂う郡浦(こうのうら)と、夏が到来した海辺のまちを巡りました。

文=松田有美 写真=内村友造(グラフ)
表紙=明治の物語を彷彿させる三角西港「浦島屋」のバルコニーにて



初夏の陽光が海と山に注ぐ 三角町
「夏の日の夢」がよみがえる 明治の復刻建築“浦島屋”
至るところに海が顔をのぞかせ 潮の香りが水平線へと心を誘う
青海小学校から郡浦の港へ のどかな風情に気分ものんびり
夫婦船で引き寄せる大漁 イチジクがたわわに実る郡浦

くまにちコム


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