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緑風が誘う、初夏の一日 御船町・甲佐町

昭和後期頃の御船川沿いに建ち並ぶ酒蔵。白壁の風情が、往時の繁栄をしのばせます(写真は御船町役場提供)


ありし日の面影を藍染めに

藍染めで描かれた加藤清正と熊本城。5月のしつらえとして人気です
 
かつて、御船川沿いに建ち並んでいた酒蔵の往時の風景を描いた藍染め。福永さんの作品

『肥後藍御船工房』を主宰する、藍染め作家の福永幸夫さんと奥さんの悦さん(76)


白旗山の中腹にある『御船窯』。緑に囲まれたステキなところです
 
『御船窯』のギャラリーには、津金さん親子3人の作品が展示販売されています


『御船窯』の津金日人詩さんの作品、焼締めのコーヒーメーカー(1万5000円)。青磁のマグカップは日人夢さんの作品(6000円)
 
さわやかな笑顔の津金日人詩さん。温かく迎えてくれました


 御船町は、かつて上益城地方の経済や文化の中心地でした。江戸時代から昭和初期の頃まで、県内屈指の醸造の町として栄え、阿蘇外輪山から流れる御船川の清流を生かして酒が造られていました。川沿いには29軒の醸造元が競って酒蔵を築いたそうです。
 「当時の面影はもう残っていませんが、情緒豊かだったころの町の風景を伝えたいと、藍染めに表現しました」と話すのは、藍染め作家で日展会友でもある福永幸夫さん(80)。「想」というタイトルの作品には、水をたたえた御船川沿いに建ち並ぶ白壁の酒蔵群と煙突、石垣の風情が藍色の涼やかな配色で描かれており、ありし日の思い出を呼び起こします。
 現在、改装中の『肥後藍御船工房』のギャラリーでは福永さんの作品が展示販売される他、和やかなお茶時間が楽しめるカフェも登場する予定です。
 風が踊り、鳥が歌い、若葉が揺れる…、そんな初夏の白旗山は涼やかです。と、山中の坂道の脇にいくつも点在するユニークなオブジェが…。これを目印に進むと『御船窯』へたどり着きます。ここは、津金貞機さん(69)と、双子の息子で兄の日人詩(ひとし)さん(39)と弟の日人夢(ひとむ)さんたちのアトリエです。
 「父の背中を見て育った私たちは、陶芸家を志すのに何のためらいもありませんでした」と話す日人詩さんが手がけるのは焼締(やきし)め。釉(うわぐすり)をかけずに焼くことで素地に灰がふりかかり、それが自然釉になるそうです。奥深い色合いは、わびさびの風合いを感じさせます。
 焼締めとは反対に、何度も釉をかけることで深い翡翠(ひすい)色のなめらかな曲線を描く青磁の器を手がけるのが日人夢さんです。
 静かなアトリエでは、親子3人の多彩な作品が展示販売されています。また、津金兄弟の作品は、6月5日(火)から熊本県伝統工芸館(熊本市)で開催される「クラフトイン上益城2012」で見ることができます。


問い合わせ
■肥後藍御船工房
上益城郡御船町御船1033の2
TEL.096(282)0217
営/9時半〜18時
休/月曜

■御船窯
上益城郡御船町御船230
TEL.096(282)6783
営/9時〜日暮れ
休/なし
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※各情報は掲載時のものです。料金や内容が変わっている場合もあります。
  あれんじ気まま旅
Vol.52(2012.5.19)掲載
吹く風が新緑の匂いを運び、初夏の気配に包まれる季節。街の喧噪(けんそう)から離れ、のどかな風景を求めて御船町と甲佐町(上益城郡)を訪ねました。

文=福永和子 写真=森賢一(グラフ)  
表紙=御船町の七滝地区にある八勢(やせ)眼鏡橋のたもとから日向往還へと向かう古道



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