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海辺の町に聞こえる春の足音 大矢野

 
維和島へとかかる「東大維橋」。島の風景を眺めながら通行するときの気持ちよさといったら

維和島の「維和桜・花公園」の桜にもつぼみが付き始めていました


山肌を覆う パール柑の香り 車エビ養殖は ここが発祥の地

パール柑の表皮を磨けば、真珠のようにツヤツヤ光ることも名前の由来に
 
パール柑生産者の荒木大和さんと、奥様の美保さん(32)、一人娘の結衣ちゃん(1歳8カ月)。開花直前に花粉を集め、一つひとつ人の手で受粉させるので、ゴールデンウイークまで大忙しだとか


水温が低くてジッと動かない車エビたち。そのプリッとした食感とほのかな甘味は格別です
 
ミネラルたっぷりの天草の海の水を引き込んだ養殖場。エビは夜行性で、日中は砂の中に潜っているため、しーんと静かです
 
「イーエビ(良いエビ)・ドット・ジェーピー、いいHPアドレスでしょ?」と茶目っ気もある丸山さん。車エビの孵化から出荷までを紙芝居にして説明してくれました



お店の花壇や遊歩道の脇など、あちこちで見ることができるスイセンや菜の花
   おだやかな海に囲まれた上天草市大矢野町。まだ風は少し冷たいけれど、民家の庭先には勢いよく咲くアロエや可憐なスイセンの花に加わり、菜の花がぽつりぽつりと咲き始めています。春がすぐそこまでやって来ているようです。
 景色に暖かな色合いを添えているのは花ばかりではありません。今が収穫時だというパール柑(かん)の黄色い実りがそうです。「この時季のパール柑は、完熟させたものだけを収穫しているんですよ」。大矢野では一番若手の生産者だという荒木大和さん(33)は、他にも数種類の柑きつ系の果実を栽培しています。
 高台の果樹園に上るとパール柑がたわわに実り、甘酸っぱい香りが漂っています。パール柑は、さっぱりとした味わいの果肉だけでなく、皮の白い綿の部分を半分ほどカットして砂糖煮などにして、丸ごと味わうことができます。
 さて、パール柑と並び、大矢野町の味覚を代表するのが車エビ。中でも維和(いわ)島は、日本の車エビ養殖の発祥の地で、明治38年(1905)から盛んに行われているそうです。“大矢野のゴールデンゲートブリッジ”として親しまれている東大維橋を渡り維和島へ向かうのですが、この橋からの眺めは最高で、急ぎ足で通り過ぎるにはもったいない風景が広がっています。
 丸山恭徳さん(47)が営む『(有)丸山水産』は100年の歴史を持つ養殖場で、恭徳さんは4代目。高級食材として知られる車エビですが、乳酸菌や海藻エキスなどを染み込ませたオリジナルの飼料やオキアミなど、与えるエサ代の高さを聞いてびっくり。苓北町の海で捕獲された種エビから、産卵・孵化させて育てるため、手間も時間もかかるそう。車エビが高価なのは理由があるのです。
 春先になると養殖場の水が抜かれ、小さな砂山がぽこぽこと出現した光景を目にしたことがありますが、砂を天日干しにしてガス抜きをしているのだそうです。「砂は車エビたちの布団だから。気持ちよくしてあげないとね(笑)」とニッコリ笑う丸山さん。名産品を作る人たちの笑顔は実に堂々としています。


問い合わせ
■(有)丸山水産
上天草市大矢野町維和1430
TEL.0964(58)0007
http://e-ebi.jp
 
>> 2 アーティストが惚れ込む自然美 伝説が残る天草四郎ゆかりの地
※各情報は掲載時のものです。料金や内容が変わっている場合もあります。
  あれんじ気まま旅
Vol.45(2012.2.4)掲載
天草の「玄関口」上天草市大矢野町。観光客も少ない海岸線や離島には、まだまだ知られざるスポットが数多く点在しています。あたたかな陽光と、花や果実の香り。一足早く、春の気配を楽しんできました。

文=廣木よしこ 写真=森賢一(グラフ)
表紙=くじら道海岸で出合った、高杢(たかもく)島にかかる天使の梯子



海辺の町に聞こえる春の足音 大矢野
山肌を覆う パール柑の香り 車エビ養殖は ここが発祥の地
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