生活情報紙「あれんじ」公式サイト

トップ最新号とバックナンバー読者プレゼント
そこかしこに昭和が残る 山里の商店街「小国町」

車の通りも少なく、ゆっくりのんびり散策するにはちょうどいい宮原の商店街・栄通り


歩くだけでホッとする温かい人情と懐かしい風景

かつては銀行だったレトロチックな建物。今はたくさんの本が並ぶ『小国町立図書館』に
 
古い商家が並ぶ一番街に立つかわいい床屋さん『佐藤理容館』


8月末までは、一番街のいたるところに鉄のアートを展示中
 
栄通りで見つけた元映画館の『雄国会館』。残念ながら今は使われていません。もともとは明治の終わりに誕生した芝居小屋だったといいます


野菜や黒豚など、地元素材をふんだんに使った日替わり弁当650円。お店でいただく日替わりランチは780円
 
煮豆や白和え、ポテトサラダに唐揚げ…。北里香代さんが作る『パレット』のお惣菜は、独り暮らしのお年寄りやお母さんたちに人気です


 小国町の中心部にあたる宮原地区。道の駅小国「ゆうステーション」から町民体育館「小国ドーム」へ向かう途中にあるこの界わいは、昔ながらの風情を残す商店街があります。
 筑後川が一帯を貫いて流れていますが、北側が「一番街」、南側が「栄通り」、そして大正9年に第1回国勢調査が行われたことにちなんで名付けられた「国勢橋」を起点とした「国勢橋通り」と、3つの通りで成り立っています。車で行けば、あっという間に通り過ぎてしまう広さですが、ここではゆっくりと歩くことにします。
 それぞれの通りには、洋品店に薬局、写真店、食堂、金物屋、理容店、お菓子屋がかつての商店街の名残をわずかにとどめています。古めかしい看板や木造モルタルの古い家が続き、店先には植木鉢が並べられています。シャッターを閉めた店もありますが、現役で営業する店はまだまだ残っており、町の人たちと心通わす商売の温もりがそこにあります。荷物を運ぶ軽自動車が往来し、店に出入りする客の姿、立ち話をする人たちと、昔から変わらぬ営みが続く商店街の情緒に「昭和」の香りを感じてなりません。
 「一番街の風情が好き」と語るのは、ランチとお惣菜の店『マザーズキッチン パレット』の北里香代さん(56)。大好きな町を盛り上げたいと、蔵を利用した商家民泊やギャラリーも営み、地域活性化イベントを企画するグループ「なないろ」にも参加するスーパーかあさんです。「去年、通りや店舗を使って“鉄のアート展”を開催したのですが、お隣のお母さんが『おもしろいね』と、今年も軒先を貸してくれて。地元の人にこそ楽しんでほしかったので、お母さんの言葉に励まされました」。自分たちが気持ちよく暮らせる町にしたいと、あくまでも地元目線。だからこそ、訪れる人もゆったりくつろげるのかもしれません。
 「宮原は昔から開放的で、さまざまな文化を受け入れていた土地柄」と北里さんが言うように、地元の人たちもオープンでほがらか。ぶらぶら歩いていると、学校のプールに向かう小学生や、照れくさそうにデートする高校生カップル、買い物に出かけるおばちゃん、すれ違う人たちはみな、「こんにちわ!」とあいさつをしてくれます。そんな自然なふれあいに心がゆるみ、古い町並みにすがすがしい空気をもたらします。



問い合わせ
■マザーズキッチン パレット
阿蘇郡小国町宮原1613
グリーンファーム1F
TEL.0967(46)2771 
営/11時〜14時、16時30分〜19時
休/水曜
>> 2 古さと新しさが混じり合うおいしい商店街の匂い
※各情報は掲載時のものです。料金や内容が変わっている場合もあります。
  あれんじ気まま旅
Vol.34(2011.8.20)掲載
杉の山々に囲まれた小国町は個性ある温泉で人気の高い観光地。イマドキのお店を訪ねるのも魅力的ですが、今回は地元の人たちの暮らしぶりが垣間見える宮原商店街を訪問。昭和の匂いが漂う町を散策してきました。

文=廣木よしこ 写真=森賢一(グラフ)
表紙=鉄筋ではなく竹筋コンクリート製といわれる旧国鉄宮原線の幸野川橋梁。国登録有形文化財



そこかしこに昭和が残る 山里の商店街「小国町」
1 歩くだけでホッとする温かい人情と懐かしい風景
2 古さと新しさが混じり合うおいしい商店街の匂い
3 小国土産は老舗の味 旅の締めくくりは、やはり温泉

くまにちコム


このページのトップに戻る↑



掲載の記事、写真の無断複製・転載を禁じます
Copyright Kumamoto Nichinichi Shimbun