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春色に染まる大津町




昭和園内には約4万本のつつじが植えられ、4月中旬から5月ぐらいまで
見ごろが続きます。遊歩道や遊具施設、ベンチなども設けられています
(写真提供大津町役場)

つつじが咲き乱れる花見の名所『昭和園』と、 180有余年、町を見守る江藤家住宅
 

『昭和園』に遊びに来ていた、近所に住む大堂さん(左)親子と、小島さん(右)親子






座敷部を中心に幕末の細川藩御用絵師や職人の手による、贅をつくした床飾りや障壁画が見事
 

江藤家住宅母屋は1830年頃の建築とされています。熊本の民家が茅葺から桟瓦葺(さんかわらふき)に変化した時期を示す貴重な資料。豪農民家と武家屋敷の両面をあわせ持つ、珍しい屋敷です



母屋の南側の武家風庭園。松やマンリョウ、つつじなどが折り重なるように植えこまれ、座敷から見ると、その奥ゆきと広がりに驚かされます

色白の美男子ぶりが錦絵にも残されている大津町出身の第11代横綱不知火光右衛門(しらぬい・こうえもん)の銅像。華麗な土俵入りは現在も不知火型として残っています
「地域の方々の支えなくして、この家は守れません」と11代目の江藤武紀さん。地域のシンボル的存在となった今は、地域住民の協力とともに、江藤さんはこの家を大切に守っています


 田園や山々に抱かれた大津町では、春めく陽気に、タンポポや菜の花、桜の花々が柔らかな風に軽やかに揺れ、春らんまんの風情です。もうすぐ、町自慢のつつじも咲き始めます。
 町花はつつじというだけあって町の随所につつじが植栽されています。『昭和園』は、町内一を誇るつつじの名所。ヒラド、ヨドガワ、クルメなどの品種が約4万本が植えられ、開花すれば、赤や桃色の花が絨毯を敷き詰めたように園一帯を覆い尽くすそうです。
 見ごろは5月まで続き、休日ともなれば町内外からたくさんの花見客が訪れるといいます。
 また、ここは近所の団地の子どもたちにとって格好の遊び場になっているようです。取材の日も幼稚園児くらいの子供たちがつつじ畑を舞台にかくれんぼに興じていました。
 町内には他にも日吉神社、高尾野森林公園などつつじを楽しめる名所が点在しています。
 さて、この町は加藤清正の国造りの構想で始まったと言われます。白川より水を引く農業用水路(上井手・堀川)の利水工事により、実り多き田園地帯になったそうです。
 当時の面影を残すのが大津町陣内にある、国指定重要文化財『江藤家住宅』。約200年の歴史を持つ豪壮な“在御家人住宅(ざいごけにんじゅうたく)”です。在御家人とは裕福な町人や豪農に献金を出させ、その見返りに武士格を与えたもの。約1900坪の敷地には水路も引かれ、いぶし銀の大屋根の母屋、蔵、馬屋など複雑な外観を呈した屋敷、意匠的にも優れた書院造の座敷、肥後石組の庭園などが残されています。
 現在も11代目当主となる江藤武紀(71)さんご一家が暮らしています。「父が苦労して守った家。そんな父の背中を見てきましたので、何とか後世に残して行きたいですね」。戦後の混乱期、大きな屋敷を守り抜いたお父様が心の支えとなったのが、見学に来た学生たちから届くお礼状だったといいます。
 江藤家住宅は春と秋の年2回、一般公開されます。今春の公開は4月17日の予定です。


問い合わせ
■江藤家住宅
菊池郡大津町陣内1652
TEL.096(293)2146(大津町生涯学習センター)
>>2 ランチスポットとしても人気急上昇中
※各情報は掲載時のものです。料金や内容が変わっている場合もあります。
  あれんじ気まま旅
Vol.25(2011.4.2)掲載
江戸時代は豊後街道の宿場町として栄えた菊池郡大津町。近年は熊本市のベッドタウンとしても活気を帯びています。大津町はつつじの町としても知られ、4月中旬には町内に植えられた約40万本のつつじが見ごろを迎えます。春色にすっぽりと染まる大津町をぶらりと散策です。

文=北園佳代 写真=内村友造(グラフ)
表紙ロケ地=国指定重要文化財、江藤家住宅



春色に染まる大津町
1:花見の名所『昭和園』と、町を見守る『江藤家住宅』
2:ランチスポットとしても人気急上昇中
3:伝統工芸の“花”咲く町。そばの味に舌鼓

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