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小京都、人吉をゆく 城下町の魅力発見



石畳の鍛冶屋町通りを歩けば 500年続く金槌の音が響く

亀蛇を刺繍した妙見さんらしいお守り。初穂料500円
17代目蓑田正次さんが鍛造した包丁は切れ味が素晴らしく、全国から注文があるそうです


創業130年を超える立山商店には、県産のお茶や椎茸、干しタケノコを販売。熱湯でも水でも美味しい田舎番茶は、おすすめです
 
夫の立山茂さん(55)は日本茶インストラクターとして日本茶の普及の傍ら、鍛冶屋町の活性化にも尽力しています。それを支える妻のまき子さん(53)


天然もろみのコクと香りがきわ立つ「マルカマ醤油」473円(右奥)と「生みそ」578円。良質の昆布とカツオを使った「御膳醤油」683円、キクラゲ、ワカメ、昆布の佃煮「山の幸海の幸」683円と、釜田醸造所の人気商品
 
大正末に建てられた母屋を平成元年に“みそ・しょうゆ蔵”として改築
 
釜田醸造所の久保田弘人工場長(50)。「大正時代に建てられた店で、味噌漬けや佃煮などをご試食いただけます。お気軽にどうぞ」


前菜もついた鍛冶屋町カリーは1050円(ランチメニュー)
 
あさぎり町の薬師卵にチーズを入れた贅沢なオムレツライス1050円(前菜付ランチメニュー)
 
西洋食堂のオーナーシェフの中村智さん(52)は福島県の出身。東京のホテルなどで修業を積み、奥様の出身地である人吉へ。7年前に同店をオープン


 人吉市街は中心に日本三急流の一つ球磨川が東西に貫流し、その両岸には城下町の名残をとどめる街並みが広がります。
 その一角、美しい石畳が続く鍛冶屋町通りは、時代を感じさせる蔵、町家などが立ち並び、今注目のスポットとして多くの人が訪れています。
 現在も2軒の鍛冶屋があり『正光刃物』は500年以上も続く鍛冶屋。店の奥では、17代目の蓑田正次さん(65)が、木炭をくべた高炉で鉄を焼いています。
 そもそも、島津、細川の大国に挟まれた2万2千石の相良藩は、策として武士も農民も田畑を耕し、いざ戦いの時はともに武器をとる兵農一体の軍隊を組織したそうです。
 「鎌倉時代の末期あたりに刀鍛冶と野鍛冶(農具鍛冶屋)の両方を作る鍛冶屋職人62軒を集めて鍛冶屋町を作ったと言われとります。刀鍛冶と野鍛冶が一緒になった鍛冶屋は全国的にも珍しかそうです」と蓑田さん。そして刀も農具も作る万能鍛冶屋から、「鯉の骨も野菜も切れる」と名高い “人吉包丁”が生まれていくわけです。
 さて、『正光刃物』の隣向かいには『釜田醸造所 みそ・しょうゆ蔵』があります。ここは工場見学ができると聞き立ち寄ることに。
大正時代に建てられた店の奥は、間口からは想像もつかない、奥行き100mほどある細長い土蔵の工場となっています。古びた大木の柱や梁が印象的で、年代物の石むろや竹で作られた船と呼ばれる圧縮機があるかと思えば、ステンレス製の樽や冷水機の最新機器が置かれていて、新旧一体の設備の中で味噌としょう油作りが行われています。
 さらに歩を進めると、お茶屋「立山商店」があります。店の隣にある築100年の茶の蔵でお茶をご馳走になりました。茶の蔵には年代物の茶壺や茶道具なども展示され、そこから眺める坪庭の風情もいいものです。
 そろそろお腹も空きました。『西洋食堂』は、本格フランス料理とワインを味わえるレストラン。ランチメニューの「鍛冶屋町カレー」は、立山商店の健康茶に薬草、釜田醸造所の生みそと醤油を使った薬膳カレーです。おいしさの正体は、生きた生みその酵母。それがカレーの味にコクを出すそうです。家庭的な雰囲気も居心地よく、つい長居をしたくなるお店です。



問い合わせ
■正光刃物 蓑田鍛冶工場
人吉市鍛冶屋町59
TEL.0966(23)2565

■(資)釜田醸造所 みそ・しょうゆ蔵
人吉市鍛冶屋町45
TEL.0966(22)3164
営/9時〜16時
休/なし
10名以上の工場見学の場合は予約を


■立山商店
人吉市鍛冶屋町43
TEL.0966(22)2566
営/9時〜17時
休/不定

■西洋食堂 ブラッスリー・SATOSHI
人吉市紺屋町28の2
TEL.0966(24)8788
営/11時30分〜14時、18時30分〜21時
休/不定
>> 2 西南の役では薩軍が本陣 今も残る西郷のエピソード
※各情報は掲載時のものです。料金や内容が変わっている場合もあります。
  あれんじ気まま旅 IN KUMAMOTO
Vol.8(2010.7.17)掲載
相良700年の歴史が色濃く残る人吉。九州の小京都とも呼ばれる情緒豊かな城下町を歩いて見つけた、色あせない古の文化と温かな人情、そして人吉の味をご紹介します。

文=北園佳代 写真=森賢一(グラフ)
表紙=『丸一そば』の明るい女三代。右から、佐々木絵理さん (17)、桂子さん(75)、英子さん(46)



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