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初夏の高原へ 頬にそよ風を感じて。 初夏の吉無田高原、西原村へ


天気のいい日は、大きな窓から吹き込む涼風が店内をゆるやかに巡ります。
緑まぶしい窓外の風景も、心を落ち着かせてくれます




店内には、木製の古井戸の滑車や農具など、ひなびた道具類もさりげなく飾られています
 
手書きの英文が奥へと誘う、玄関前のウェルカムボード


この夏から登場の新セット『タコスセット+だご汁(小)』1200円は、自家製デコポンジュース付き
 
知人のアメリカ人から、この風景に似合うと伝授されたタコス。その後、日本人の舌になじむしっとり感を求めた小島さんが、現在の小麦粉の皮で作るスタイルを完成させました


 初夏の阿蘇郡西原村と吉無田高原(上益城郡御船町)へ出かけました。
 吉無田高原へ伸びる緑のスロープを軽快に上がっていくと、その上空に広がるのは、雨に洗われた空の澄んだ青。そういえば、昔、“雨上がりの空に広がる青色”を磁器の肌に再現しようと、国が傾くほどの情熱をつぎこんだ中国・宋時代の皇帝、徽宗(きそう)がいました(平安時代後期)。徽宗の夢を誘ってやまなかった“至高の青”がフロントガラス一杯に広がるにつれ、空に心が解き放たれていくような爽快感が広がります。
 大規模林道をひた走ること約10分。南阿蘇グリーンロードを横切ってさらに進み、看板を頼りに到着したのは、人気のカフェ『風香』(上益城郡御船町田代)です。8年前、原野だったその場所に、自宅兼カフェを作り上げたのが小島国治さん(60)。
 周りを囲むコナラやエゴノキ、山桜は、なんと1700本以上。一本一本小島さんが移植したものです。「木だけでなく、草の一株に至るまで知り合いの山主さんから了解を得て運んできたんですよ」との小島さんのこだわりにびっくり。
 涼やかな緑陰に導かれてカフェに入ると、オブジェのようにたたずむ椅子に目を引かれます。古椅子をリメークして表面を粗く削った椅子は、人の手や体が触れることによってまろみとツヤを増していきます。植栽も家具も、原形を作った後はその完成を時の流れに任せる……、そんな自然体な店主のおおらかさが、心安らぐ空気感をかもしだしているのでしょうか。
 ところで、開設当初、小島さんが一番苦労したのが、水。約2.4km先の吉無田水源から引いてくることで解決し、おかげで、カフェで使う水はもちろん、自宅の風呂も100%吉無田天然水というぜいたくな暮らしが実現。「高原のセカンドライフの快適さを、来訪者の方にも感じていただきたい」、それが『風香』のもてなしでもあります。
 『風香』から再び大規模林道に戻り、吉無田水源へ。ここはおいしい水を汲みに来る人たちでにぎわいます。
 江戸時代、数百万本にもおよぶ涵養林の植林で生まれた水源は、毎分8tの湧水量を誇ります。水温約13度の水を口に運ぶと、高原の霧のような涼しい余韻がのどを潤してくれました。


問い合わせ
■風香(ふうか)
上益城郡御船町田代6702の111
TEL.096(284)2824
営/11:00〜20:00 
休/月・火曜
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※各情報は掲載時のものです。料金や内容が変わっている場合もあります。
  あれんじ気まま旅 IN KUMAMOTO
Vol.6(2010.6.19)掲載
緑がまぶしい季節です。爽快な青空と太陽、
そして涼やかな風が吹き渡る吉無田高原と西原村へ出かけてみました。豊かな自然が育むものは、山里の美しいパノラマと、その風土を愛してやまない人たちの暮らし。たおやかに流れる時間の中に、ひととき溶け込んでみました。

表紙ロケ地=吉無田高原にあるカフェ「風香」の庭先から 
文=松田有美 写真=森賢一(グラフ)



初夏の高原へ 頬にそよ風を感じて。 初夏の吉無田高原、西原村へ
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