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(3)牛深名物、キビナゴ漁 海の男の手料理に舌鼓

(3)牛深名物、キビナゴ漁 海の男の手料理に舌鼓

2018年4月7日
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漁を終えた船が戻った須口漁港の風景

すっかり日が昇った朝の須口漁港には、既にキビナゴ漁を終えた船が何隻も戻っていました。牛深では一年を通してキビナゴ漁が盛んで、4月から5月にかけては産卵期を迎えて太ったキビナゴが取れるそうです。

番屋横の海岸では、仕事を終えた漁師の原田誠さん(44)たちが焼酎の一升瓶片手にプチ宴会を始めていました。「真夜中の2時に海に出て、港に戻るのは朝の7時ごろ。俺たちにとってこの時刻(午前9時ごろ)は、一般の人が夕方に仕事を終えて一杯やる時間たいね」と言う原田さんは、既に少々出来上がっています。その横で「夜の海は緊張感で心が張り詰めるけん、酒の力を借りて気持ちをほぐす、と母ちゃんに言いわけして飲む」と池田健一さん(49)が焼酎の湯飲みを楽しそうに傾けます。

兄弟のように仲がいい漁師さんたち。左から松田久幸さん、牛深のブラッド・ピットと呼ばれる原田誠さん、気の良い兄貴分の池田健一さん

炭火の上の網から香ばしい匂いが流れてきます。ご相伴に預かったのが、キビナゴを串に刺し、塩を振って焼いた「プス焼き」。焼き上がり時に「プスッ」と音がすることから地元でそう呼ばれています。

取れたばかりのキビナゴを串に刺して焼く「プス焼き」。食べ出したら止まりません

漁師町のキビナゴの煮付けは独特です。鍋に水としょうゆと薄口しょうゆを入れた汁を沸騰させ、キビナゴを投入してひと煮立ちしたらすぐに火を止めます。ホクホクとした軟らかい身にほんのり染みた汁の味が絶妙なおいしさで、取ったばかりのキビナゴが手に入る港町ならでは味です。

沸騰した煮汁でさっと煮た「キビナゴの煮付け」

キビナゴの煮付けの頭を箸でつまみ身を剥がすとスルリとむけます。「さかすごき」は、口の中で身をしごくようにして食べます

「これからは『クロウニ(ムラサキウニ)』が取れるばい。牛深ハイヤ祭りの出店でも売られるけん、買いに来てな」と漁師の松本大作さん

ところで、牛深には『さかすごき』という方言があります。「煮たキビナゴの頭ば箸でつまんで、そこから尾っぽに向けて口の中でしごくように、骨ば抜き取って食べることたい」と教えてくれた松田久幸さん(53)に習い、3匹目に挑むころは、上手に“さかすごき”ができるようになりました。