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(6)開店の前日に起きた熊本地震 震災に負けず立ち上がる人々

(6)開店の前日に起きた熊本地震 震災に負けず立ち上がる人々

2018年2月3日
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昨年12月にオープンした「カフェ&バー モンキー」。新しい扉の向こうには、元気な笑顔が待っています

「いらっしゃいませっ!」。昨年12月にオープンした「カフェ&バー モンキー」では、店主の市村修一さん(34)の元気な笑顔が迎えてくれました。しかし市村さんは、これまで多くの苦労を乗り越えてきたのでした。

一昨年の4月15日、市村さんは念願の店を開店させるはずでしたが、その前日の14日、熊本地震が起きたのです。「厨房設備は壊れ店内はめちゃくちゃ。1日も営業することなく店を失ったわけです」と振り返ります。

手作りのおいしさが広がるお弁当は、みそ汁付きで500円。当日の10時までに要予約

市村さんは喪失感と無念さに打ちひしがれながらも奮起し、カレーライスの移動販売を開始します。その後、復興屋台村(昨年10月に終了)の仮設店舗で営業を始めたのでした。彼を知る地域の人たちは「彼の元気な笑顔と人柄に支えられました。本当は彼こそが辛かとにね」と口々に話します。

再スタートした店では人気のカレーはもちろん、手作りのお弁当が人気です。妻で栄養士の香子さん(37)が作るお弁当は、大盛り無料のみそ汁付きで、なんと500円。「震災直後、た~いがみそ汁ば飲みたかったとですよ。その思いからサービスしよるとですけど、正直この価格は限界です(笑)」と話す笑顔に親しみが湧きます。店は夜になるとバーとして営業します。

地域の人気者、市村修一さんと、彼を支える妻の香子さん

ランチ終了後に来店した常連さん。材料が無くなり「インスタントラーメンでいいけん食べさせて」というリクエストに応えて特別メニューを

カフェ&バー モンキー

 

家庭の味を楽しんで

被災した役場庁舎の近く、県道28号沿いの仮設店舗「いくばい益城笑店街」の中にある「きやま食堂」は朝7時に開店します。「朝ご飯を食べにくる人のために早く開けるんです。工事関係の人も多くてね。家族と離れて益城町の復興のために働いてる人たちに、家庭の味を楽しんでもらえたらと」と言う店主の岩崎すえみさん(63)は、店の近くのプレハブで暮らしているそうです。

木山交差点近くの「いくばい益城笑店街」の中にある「きやま食堂」

「地震でいろいろ大変だったけれど、それでもがんばらなくちゃね。愚痴を言ってても始まらない!」と笑う顔に、人間の生きる底力を見た気がしました。

完全復興への道のりは長いけれど、益城町には強く、明るく生きる人たちのエネルギーがあふれています。そしてあの日から、町は顔を上げて、しっかりと足を踏みしめ、歩みを進めています。

「きやま食堂」のこの日の日替わりメニュー「フライドチキン定食」480円

店主の岩崎すえみさんが作る「おふくろの味」が人気

ボリューム満点の「酢豚定食」600円

きやま食堂