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(1)昔ながらの水車で精米 ゆっくり時間をかけて

(1)昔ながらの水車で精米 ゆっくり時間をかけて

2017年12月2日
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「あそ望の郷くぎの」からのぞむ阿蘇五岳。いつ見ても心洗われる風景です

冬の早朝、俵山トンネルルート(県道28号)を通り、南阿蘇村へと向かいました。朝霧に包まれた南外輪山の姿は、モノトーンに沈んで、一幅の水墨画を見ているようです。

日が昇って来ると、南外輪山を背にして、眼前にのどかな里山の風景が広がります。雄大にそびえる阿蘇五岳、手前には刈田の土の色、伸び始めた牧草の緑色、収穫を控えたソバ畑の赤い色。まるでパッチワークのようです。

この景色を「南フランスの風景と重なる」と言った人がいました。こうした牧歌的な光景に魅了されるのは、そこに息づく営みに穏やかさを感じとられるからではないでしょうか。

「あそ望の郷くぎの」の敷地内にある「あそ望親子水車」。親水車の直径は7メートル、子水車の直径は3メートルです

県道28号沿いにある「道の駅 あそ望の郷くぎの」。店舗の脇にある大きな水車が目印です。地元の買い物客や観光客でいつもにぎわっています。

店内をのぞくと、阿蘇の湧き水で育った南阿蘇村の新米が並んでいます。この新米は、あの水車でついていると聞いて驚きです。

同施設の敷地内には縄文時代から湧いていると伝わる「古代の泉」という湧水があります。その水流を利用して、2つの水車がゆっくりと回っており、隣接する小屋で精米されています。

南阿蘇村あたりでは、1980(昭和55)年ごろまでは、水車で米をつく光景がよく見られました。

「水田のイルミネーションが始まっていますので、ぜひ見に来て下さい」と「あじわい館」副館長の内賀嶋孝さん(42)

今の時代、精米は機械で数分でできますが、「あそ望の郷くぎの」では水車で5〜6時間かけて精米しています。水車でつくのは手間がかかりますが、機械と違い、摩擦熱の発生が少ないので、米のうま味が損なわれずおいしいのだそうです。

水車小屋の中は見学できるようになっています。中ではきねの音が響き渡り、水車の力で動く何本ものきねがずらりと並んだ臼に入った玄米をついています。

トン、トン、サク。トン、トン、サク。木と木がぶつかる音、きねが米をつく柔らかい音が耳に心地よく、なんだか眠くなってきます。

水車小屋の中では、きねが米をついていました。古代の泉から流れてくる水を、いったん水車の上の方にまで吸い上げて落とし、その動力できねが動きます

つき上がった「水車米」は、うっすらと黄みがかっており、南阿蘇村の湧水で炊くと、また格別の味わいになりそうです。

南阿蘇村の農畜産物や土産物などが何でもそろう「あそ望の郷くぎの」内の物産館「あじわい館」。敷地内にはレストラン「あか牛の館」や、約3000坪の芝生広場と無料ドッグランなどがあります

人気商品の「ASOMILK」の牛乳(200ml・210円)と、南阿蘇村産の完熟トマトを使った「熊本トマトコーラ」(200ml・310円)

阿蘇産の牛乳を使ったジェラート(350円)が人気。「オススメは、くるみキャラメルとそばジェラートです」とスタッフの原田広子さん(54)

「あじわい館」には、おにぎり弁当(350円)や地鶏めし(350円)など、地のものを使った弁当がたくさんあります

あそ望の郷くぎのあじわい館