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(3)山の暮らしを楽しく学べる ファミリーに人気の新施設

「五木の山めし膳」980円

(3)山の暮らしを楽しく学べる ファミリーに人気の新施設

2017年11月4日
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狩猟や山仕事に用いる道具を展示した「民具の塔」

五木村の暮らしや歴史を新たな視点で伝える施設が誕生しました。

4月にオープンした「五木村歴史文化交流館 ヒストリアテラス五木谷」がそうです。五木村の歴史や習俗について学ぶ「民俗展示室」のほか、良質な木のおもちゃで遊べる「いつきむらこどもかん」や、カフェコーナーなどが備えられています。

週末ともなると親子連れでにぎわう「いつきむらこどもかん」。開館と同時に来て、夕方まで遊んでいく人も多いといいます

ロビーで縄文土器のかけらを集めて作ったタワーに目が留まりました。

おしゃれなタワーのオブジェ。中には縄文土器の破片が詰められています

「川辺川ダムの建設計画で水没予定地から出土したものです。川辺川やその支流沿いに点在する遺跡は、五木村内だけでも10カ所を超えています」と、五木村教育委員会の審議員・石田和男さん(65)。

遺跡からは石器や土器がたくさん出てきました。展示物のなかには、縄文時代中期の南九州を代表する「阿高(あだか)式土器」の復元品も。今から4000~5000年前には既に人が住んでいて、山で狩猟したり、川辺川の魚を捕ったりして暮らしていました。

石で作った鏃(やじり)や魚網に付ける錘(おもり)などがたくさん出土しましたが、五木村にはない、県外の遠くの地でしか取れない石で作られたものもあります。車も道路もない時代に人々が九州内をダイナミックに交流していたかと思うと、驚くばかりです。

土器の破片から復元された阿高式縄文土器。最大のものは口径49.7cm、高さ45.4cmもあります=ヒストリアテラス五木谷

左から石田和男さん、「ヒストリアテラス五木谷」スタッフの高田律子さん(36)と平野貴嗣さん(25)

さて、歴史の勉強を終えたら一息入れましょう。館内には、“来(き)ない(いらっしゃい)”という五木村の方言に由来する「キナイカフェ」もあります。

頭地地区の女性たちが切り盛りするこの店では、羽釜で炊いたごはんのおにぎりと自家製梅干し、手前味噌の汁物や、ジビエが並んだ「山めし膳」を味わえます。

おにぎりの横にちょこんと添えられているみそが甘辛く、おいしいこと。これは、みそ、みりん、砂糖などを合わせ炒めたもので、おかずにもなり、調味料にもなる万能食材です。

「油みそっていうて、村では保存食として各家庭で作られているとですよ。おにぎりにぬって食べてもよかし、ゆでたタラノメなどの山菜につけてもおいしかですよ」と村山ケサヨさん(70)。

羽釜炊きのおにぎりと地元の食材を使った汁物、小鉢などを味わう日替わりランチ「五木の山めし膳」980円。ほかに、お子様ランチもあります

そしてもうひとつ。五木村では“休憩”を「よけまん」と言います。おやつどきのよけまんにこそ食べたいカフェの人気メニューが「よけまんスイーツセット」。季節の食材を使った和洋の手作りスイーツの盛り合わせで、これを目当てに訪れる人もいるそうです。

「よけまんスイーツセット」は、ドリンクつきで650円。この日は、栗まんじゅうと栗の渋皮煮、バナナケーキの盛り合わせでした

左から「キナイカフェ」スタッフの田中一子さん(66)、村山ケサヨさん、田山敏子さん(65)、村口由美子さん(67)

五木村歴史文化交流館 ヒストリアテラス五木谷

  • 球磨郡五木村甲2672-58
  • TEL.0966-37-2121
  • 開館/10時~17時 ※カフェは季節によって変動。事前に確認を
  • 休/月曜 (祝日の場合は翌日休、12月29日~1月3日)
  • ◆展示室観覧料/大人300円、小・中学生200円
  • ◆こどもかん/未就学児は無料 小学生200円(付き添いの大人は無料)
  • ※展示室+こどもかんのセット券300円