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(4)野菜の成分生かした食用オイル 東京のデパートなどでも注目

(4)野菜の成分生かした食用オイル 東京のデパートなどでも注目

2017年10月7日
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コーヒー色の建物が目印の「TG珈琲」。TGとは、哲治(てつはる)さんのあだ名〝てつじ〟 に由来するのだそうです

大津町役場の近くで、どこからともなくコーヒーのいい香りがしてきました。香りをたてているのは、自家焙煎コーヒー店「TG珈琲」です。20種類以上のコーヒー豆と、焼き菓子、ケーキなどが販売されており、一角には喫茶コーナーもあります。

「一杯飲んでいかれませんか?」。声を掛けてくれたのは、店主の広瀬哲治(てつはる)さん(47)。広瀬さんは、「大津モカ2015」という種類の豆を選び、丁寧にハンドドリップしてくれました。一口飲むと、ワインのような芳香が印象的です。コーヒー豆のネーミングからも、“大津愛”が伝わってきます。

広瀬さんは、もともとパティシエ。「秋になると大津のカライモを使ったスイートポテトや〝焼き芋マフィン〟なども販売します」

20種類以上のコーヒー豆が並ぶ店内。均一な仕上がりにするために、季節によって焙煎方法を変えるのだそうです

以前は、菊陽町でコーヒー店を営んでいたという広瀬さんは、2015(平成27)年10月、大津町にある古民家に移転し、営業を始めました。しかし熊本地震で建物が損傷。古民家の情緒あるたたずまいにほれ込んでいただけに、そのショックは大きかったようです。 そんなときに応援してくれたのは、大津町の人たちでした。「“ここで長く続けてほしい”といってくれる方のために、新しい一歩もこの地で、と決めたんです。豆の焙煎や菓子の製造は閉店後に行い、寝床につくのは夜中の2時ごろかな。でも、応援してくれる人がいるから頑張れます」。広瀬さんはこの町で、充実した日々を手に入れたようです。

喫茶コーナーでは「大津モカ2015」(500円)、「TGブレンド」(500円)など、10種類以上のコーヒーが楽しめます。テークアウト(400円~)もできます

この日のシフォンは、「コーヒーシフォン西表島パイナップルジャムとアイス」(680円)。コーヒーと一緒に注文すると、400円とお得に(コーヒー代別途)

県産有機レモンや荒尾市の酪農家の生クリームなど、こだわりの原材料で作られたボリューム満点の「TGオリジナルチーズケーキ」(680円)。コーヒーと一緒に注文すると、400円とお得に(コーヒー代別途)

TG珈琲

 

昔ながらの製法で国産なたね100%の食用油

商店街(県道30号)を西へ向かい上井手の方へ路地を入っていくと、そのほとりにあるのが、明治42(1909)年創業の「肥後製油」です。

昔ながらの製法で国産なたね100%の食用油が作られています。中でも、同社が昨年3月に発売した野菜の栄養成分が溶け込んだ機能性食用油「プラスオイル」が、東京のデパートなどで注目を集めています。

がん研究のスペシャリストの前田浩熊本大学名誉教授(医学)と共同で開発したトマト、ニンジン、ホウレンソウの「プラスオイル」。各864円(45g)と2160円(180g)2つのサイズ。インターネットや肥後製油本店で購入できます(写真は180g)

「上井手」のほとりにある肥後製油。水の音だけが響く閑静な住宅街にあります

4代目社長の髙木浩二さん(54)によると、「鮮やかな野菜の色素は抗酸化作用があり、油の劣化を遅らせるだけでなく、油と一緒に摂取することで体に吸収されやすくなります」といいます。

トマト、ニンジン、ホウレンソウ、それぞれの栄養素を独自の製法で油に溶け込ませてあり、市販の油に混ぜるだけで、その油の酸化を防ぐと聞きました。

「大津産の野菜を使って、さらにいろんな商品を開発していきたいですね」

「プラスオイルの研究を始めてから、体の調子がよくなりました(笑)」と肥後製油社長の髙木浩二さん

少しずつ頭を垂れ始めた稲穂の向こうは夕焼け空。さっきまであんなに明るかったのに、辺りもみるみる淡く、薄暗くなっていきます。もう、すっかり秋です。

肥後製油