生活情報紙「あれんじ」公式サイト

(4)セブンティーンの肩に春風 西原村の希望が輝いた瞬間

小城もえさん(左)と、竹内菜々子さん

(4)セブンティーンの肩に春風 西原村の希望が輝いた瞬間

2017年4月15日
|

県道206号沿いにある「復興市場 萌の里」。西原村の旬の野菜や特産物、加工品が販売されています

東海大学宇宙情報センター横を走る県道206号沿いにある「復興市場 萌の里」では、村の特産物が販売されています。

「復興市場 萌の里」では、地元のお母さんたちが作るお弁当や漬物、名物の落花生豆腐なども販売されています

「震災で作物が思うようにできなかった1年でしたが、お客さまは確実に戻っていらしてます」とスタッフの成田信子さん(65)が笑顔をほころばせます。

「これから旬の野菜がたくさん並びます」と「復興市場 萌の里」のスタッフの成田信子さん

「復興市場 萌の里」のスタッフ。荒木まゆみさん(左・49)と森下久美さん(46)

「ここは西原村の物産品を発信する拠点でもあり、村の名物を全国や世界に向けて発信したい」とがんばっているのが「ふるさとプロデューサー」の資格を持つ、坂口奉弘(ともひろ)さん(36)。

これは、中小企業庁が推進する“ふるさと名物応援事業”の資格の一つで、地元の名産品や加工品を開発・販売する仕事です。

坂口さんは、5年前に熊本市内から西原村に移住してパン屋を営んでいましたが、昨年の地震で被災。「僕にとって西原村は大切な故郷です。だからこそ、村のためにお役に立ちたい!」と言う坂口さんの大きな声に期待が膨らみます。

「西原村には宝物がいっぱい。どんどん、その魅力を発信していきたい」と話す、「ふるさとプロデューサー」の坂口奉弘さん

復興市場 萌の里

 

咲き誇る大輪の花の香りが届けるものは、よみがえる西原村の息吹

そして「復興市場 萌の里」の建物に予定されている壁画絵をデザインしたのが、県立大津高校3年生の竹内菜々子さん(17)です。

緑豊かな俵山のふところに広がる、かつての家々の様子。咲き誇る大輪の花の香りが届けるものは、よみがえる西原村の息吹。その絵には、村のみんなの心にあるふるさとへの思いが描かれているようでした。

「復興市場 萌の里」の壁面に描かれる予定のデザイン画。竹内菜々子さんが手掛けました

「震災直後は母の実家がある千葉県に避難していました。村に戻り、変わってしまった風景を見て歩きながら涙がとまらなくなって…。いつか、昔と同じような姿を取り戻してほしいという願いを込めて描きました」と話す菜々子さん。控えめでおとなしい印象ですが、選ぶ言葉には強い意志が伝わります。

隣で菜々子さんの言葉をかみしめていたのが、友人の小城もえさん(17)です。もえさんは前述の小城要一郎さんの長女で、店の経理を任せられているというしっかり者。それもそのはず、彼女は県立熊本商業高校の3年生で、簿記1級の腕前なのです。

村に元気を与えようと頑張る高校生。小城もえさん(左)と、竹内菜々子さん

2人と一緒に「復興市場 萌の里」の広場でストロベリーソフトクリームをほお張りました。甘酸っぱくて冷たいおいしさが、少女たちの笑顔をくすぐります。そして、並んで座るセブンティーンの肩を春風がなでていきました。

大丈夫。西原村にはキラキラとした希望が満ちあふれています。