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(6)みんなの楽しみ移動販売車 お目当ては買い物と世間話

移動販売の風景

(6)みんなの楽しみ移動販売車 お目当ては買い物と世間話

2015年11月21日
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元農協の建物をリノベーションした食事処「辨」

気がつけば、お昼時。大江商店街の平野屋旅館が営む食事処「辨(べん)」を訪ねました。もともと農協だった建物を改装してつくられた食事処で、大江の魚介や、大江豚のカツ丼、ちゃんぽんなどが人気。

早朝からの取材でペコペコのお腹を満たすため、ボリュームたっぷりの日替わり定食をいただきました。この日のメニューは、カンパチの刺し身、煮魚、お吸物など取れたての魚介がいっぱいで、大満足。

オーナーは平石水穂さん(67)と文子さん(64)夫妻。

「天草・長崎の教会が注目されている今だからこそ、九州内外の人たちが大江に足を運び、地域の魅力を感じるきっかけをつくらんば」と、離れの宿や貸し切り旅館など、新たな滞在スタイルの提案にも積極的です。

大江漁港で水揚げされた魚の刺身や煮付け、お吸い物、小鉢もついて800円! 盛りつけに椿やソテツの枝葉をあしらうなどの演出も

重い扉の向こうはかつての金庫部屋で、現在はカウンターバー。オーナーの平石さんが大江教会の信徒でもあることから、十字架や聖画、マリア像などが掲げられており、神聖な雰囲気

辨で刺し身の盛りつけに用いられているソテツの葉は、教会文化とも密接な関係があります(写真は大江教会の表に植えられているソテツの木)

写真左から奥田久子さん(60)、オーナーの平石水穂さん(67)と妻・文子さん(64)

問い合わせ

辨(べん)

 

素朴で温かなふるさとの愛

昼食を終えて店を出ると、近所の「ENEOS浜田石油店」が大にぎわい。月曜と金曜の週2回、町内の高浜地区からやってくる移動販売車が生鮮食品などを届けにきたのです。起伏のある地形の中に、小さな集落がいくつも点在する大江地区では場所により、青果や肉など普段の買い物に不便を感じている高齢者もいて、移動販売車は今やなくてはならない存在になっています。

「お年寄りは店がなかと困るでしょ。道端だと危なかし、ここならゆっくり買い物してもらえるけんね」と、浜田正博さん(58)と妻の津貴美さん(55)。買い物の傍らで世間話に花が咲き、笑いが響くこともしばしば。地域に密着したガソリンスタンドならではの風景です。

少しずつ色を深めていく秋の海と山々、ピチピチの魚介や豊かな里の幸。素朴で温かなふるさとの愛に包まれると、胸に甘い記憶がよみがえります。私のふるさとではこうした地域の宝を見直し、県内外の人たちに知ってもらおうという取り組みも始まっています。

あかね色に染まる空と海を眺めながら、「またすぐに帰って来るね」と心の中でつぶやいたのでした。

浜田石油店の一角で見た、移動販売の風景。世間話に花咲く地域の交流の場でもあるようです

「ちょこちょこ様子も見とくけん、お母さんのことは心配せんでよかよ」といつも言ってくれる浜田さん夫妻。近所のあたたかな見守りや声かけは、大江の魅力でもあります

問い合わせ

ENEOS浜田石油店